実用数学技能検定とは
実用数学技能検定は、数学・算数の実用的な技能(計算・作図・表現・測定・整理・統計・証明)を測る記述式の検定で、公益財団法人 日本数学検定協会が実施している、全国レベルの実力・絶対評価システムです。
おもに、
- 数学領域である1級~5級までを『数学検定』
- 算数領域である6級~11級、かず・かたち検定までを『算数検定』
と呼びます。
(後援=文部科学省。対象:1~11級)
数学検定(1~5級)には、計算技能を測る「1次:計算技能検定」と数理応用技能を測る「2次:数理技能検定」があり、1次も2次も同じ日に行います。
算数検定(6~11級、かず・かたち検定)には、1次・2次の区分はありません。
また、初めて受検するときは、1次・2次両方を受検します。
実用数学技能検定取得のメリット
入試優遇制度・単位認定制度を活用できる
数学検定・算数検定に合格すると、多くの中学校・高等学校・大学などで評価され、入学試験や単位認定で優遇・活用されています。
入試優遇制度とは
入試優遇制度とは、大学・短期大学・高等学校・中学校などの一般・推薦入試において得られる、各優遇措置や評価、活用などの制度のことです。
全国の高等専門学校・高等学校・中学校780校以上、大学・短大・専門学校500校以上の学校で、この制度が導入されています。
※公益財団法人日本数学検定協会実施の任意調査に対し回答のあった学校数
※学校によって内容が異なるので注意
高校入試において
高校入試における生徒の評価基準として、学科試験の成績だけではなく、中学校在学中の実用数学技能検定の取得を活用する学校が増えています。
入試時の点数加算や参考要素とするなど、それぞれの学校において、内容はさまざまです。
大学入試において
大学入試において、受験者の総合的な人物評価の基準として実用数学技能検定の取得を活用する大学・短期大学・専門学校が増えています。
入試時の点数加算や出願要件、参考要素とするなど、それぞれの大学・短期大学・専門学校において、内容はさまざまです。
単位認定制度とは
単位認定制度とは、大学・高等専門学校・高等学校などで、一定の階級の実用数学技能検定取得者に対して、特定の科目の単位取得を認める制度です。
全国の大学・高等専門学校・高等学校350校以上の学校で、この制度が導入されています。
※学校によって制度の内容が異なるので注意
SPI試験対策など就職に有利
数検がどのようにSPI試験や就職活動に有利になるのでしょうか。
どうやら、以下の2つの理由があるようです。
実用数学技能検定の学習によりSPI試験で苦手分野をカバー出来る
就職活動中にSPI試験を受けたことがあるかどうか、アンケートの結果約半数(52%)が「はい」と回答しています。
SPI試験の中には非言語分野と言語分野があり、数学が含まれる非言語分野を苦手と捉える就活生の割合は実に68.8%、約7割が非言語分野を苦手と思っているというアンケートが出ています。
そんなSPI試験の出題範囲と、実用数学技能検定の準2級・3級での学習範囲がそれぞれ
- 準2級…74%
- 3級…53%
一致しているのです。
※年度のよって若干の変動あり
つまり、実用数学技能検定の学習によって、いつの間にかSPI試験対策にも繋がっているということになります。
他の就活生との差をつけるためにも、実用数学技能検定の学習は役に立ちそうですね。
エントリーシートや履歴書の資格欄で数学能力を証明出来る
まず、実用数学技能検定を取得することでエントリーシートや履歴書の資格欄に記載することが可能になります。
それだけでも数学能力の証明にもなりますが、それよりももっと大事なことがあります。
それは、実用数学技能検定の取得プロセスで養われているであろう「論理的思考能力」です。
履歴書の志望動機をいかに簡潔にまとめられるか、または面接という限られた時間の中でいかに簡潔に考えを伝えることが出来るか。
資格欄でのアピールが出来ることと同時に、あなた自身をアピールする能力が高まっているはずです。
そういった能力は何もSPI試験や面接だけにとどまらず、これから働いていく上でも有利に活かしていける能力でしょう。
一定レベルの数学力が保証される
具体的にどのようなことが挙げられるのか見て行きましょう。
高等学校卒業程度認定試験(旧:大検)」の必須科目「数学」が試験免除
2級以上(実用数学技能検定1級、準1級、2級)の合格で、文部科学省が行う「高等学校卒業程度認定試験(旧:大検)」の必須科目「数学」が試験免除になります。
高等学校卒業程度認定試験とは
文部科学省が行う、さまざまな理由で高等学校を卒業していない方の学習成果を適切に評価し、高等学校を卒業した方と「同等以上の学力」があるかどうかを認定する試験のことです。
文部科学省では生涯学習社会を築いていくためには、さまざまな学習の成果が適切に評価されるとともに、この成果を広く社会で活用することが重要だとしており、そのなかで実用数学技能検定も活用されています。
関連記事:文部科学省 告示第六号
合格の証明について
高等学校卒業認定試験で実用数学技能検定の合格を証明する場合には、「合格証明書」が必要となります。
「合格証明書」は検定結果の配付物として送付されます。
もし手元にない場合は、公益財団法人日本数学検定協会に合格証明書の申請をしてください。
公益社団法人全国工業高等学校長協会主催の「ジュニアマイスター顕彰制度」で点数化
3級以上(実用数学技能検定1級、準1級、2級、3級)の合格で、公益社団法人全国工業高等学校長協会主催の「ジュニアマイスター顕彰制度」で点数化されます。
ジュニアマイスター顕彰制度とは
ジュニアマイスター顕彰制度は、工業系学科の生徒が職業資格の取得や技術・技能検定の合格を通して工業に関する知識・技術・技能を習得し、自信と誇りを持って産業界で活躍できるよう励ますことを目的とした制度です。
関連記事:公益社団法人全国工業高等学校長協会
実用数学技能検定の特長
「記述式」の検定
記述式は、ペーパーテストで「思考力」「判断力」「表現力」などの能力が育っているかを評価するために主として使われている、問題の出題形式のことです。
全国学力・学習状況調査では、問題形式を「選択式」「短答式」「記述式」の3つに分類し整理しています。
公益財団法人日本数学検定協会の考える「記述式」
公益財団法人日本数学検定協会では、上記の短答式と記述式を合わせて「記述式」と捉えています。
そして、記述式の問題を、論理読解力を問う問題と論理構成力を問う問題に分け、後者の論理構成力を問う問題をとくに論述式の問題として出題しています。
論述式の問題では、受検者は自由な発想で問題と向き合い、事象を数理的に捉え、数学の問題を見出し、問題を自立的に解決することが可能です。
したがって、論述式の問題では複数の解法が生じることがあり、採点では、解答の結果だけではなく、解法に応じてその過程についても的確に評価し正解としています。
たとえば、結果が合っていなくても、途中までの考え方が数学的に正しければ部分点を付与し、結果が合っているか合っていないかだけで評価するのではなく、より細やかな評価をしています。
考え方が正しくない解答に対しては、たとえ結果が合っていても、不正解とすることがあります。
公益財団法人日本数学検定協会では、「思考力」「判断力」「表現力」を、より的確に評価するためには、論理構成力を問う記述式の問題、すなわち論述式の問題による評価が必要であると考え、論述式の問題を一貫して出題しています。
目的に応じて全15階級からチャレンジできる
実用数学技能検定には、数学検定の1~5級、算数検定の6~11級、かず・かたち検定のゴールドスター、シルバースターの階級があります。
幼児レベルのかず・かたち検定から大学・一般レベルの1級まで、それぞれの学習段階に応じた階級を選んで受検することが可能です。
これにより、一歩一歩着実にステップアップすることができます。
関連資料:検定基準(抄)一覧
検定結果を振り返り復習ができる
受検者全員に発行される個別成績票を振り返ることで、合否や正誤だけでなく、得意なところや苦手なところを知ることができます。
また、評価コメントも掲載されているため、受検後に取り組むべき内容がわかります。
また団体受検で数学検定準2級から5級までを実施した団体担当者には、指導者向けに階級ごとの団体別成績票を発行しています。
個別成績票について
個別成績票とは
個別成績票には、小問ごとの成績、問題の内容、結果を表すグラフ、評価コメント、成績に応じたチャレンジ問題などが掲載されています。
検定結果を合否や正誤だけで捉えるのではなく、出題された内容と照らし合わせて見直すことで、今後の学習に生かすことができます。
個別成績票の特長として、
- 出題した問題について、くわしい内容を小問ごとに記載
- よくできた問題や理解が不十分な問題がひと目でわかる色分け表示
- 階級の特徴に合ったさまざまなグラフで成績をわかりやすく分析
- 成績を総括し、今後の学習で重要となる内容などをコメント
- 受検階級や点数などに応じて適切な問題を提供
上記5つのポイントがあります。
関連記事:個別成績票について | 数学検定・算数検定(実用数学技能検定)
関連資料:個別成績票の見方
団体別成績票について
団体別成績票とは
団体別成績票には、団体と全体の合格率や平均点、学年別・領域別の正答率などが掲載されています。
階級ごとに学習の成果や課題が確認でき、今後の学習指導に役立てられます。
団体別成績票の特長として、
- 合格率、平均点、正答率、無解答率などの指標について、全体と比較したときの団体の傾向がわかる
- 1次2次ごと、学年別、領域別などの観点について、団体の学習到達度の状況がわかる
- 計算問題や論述式問題などの特定の問題について、反応率や分布がわかる
- 団体の成績に応じた評価コメントで、相対的に到達度の低い学習内容などがわかる
上記4つのポイントがあります。
関連記事:団体別成績票について | 数学検定・算数検定(実用数学技能検定)
関連資料:団体別成績票の見方
実用数学技能検定の詳細情報
受検資格
誰でも受検可能
※一度合格した階級も繰り返し何度でも受検可能
※一度合格した階級は再受検で不合格でも合格は取り消されない
※ただし、時代の要請や学習環境の変化などにより、公益財団法人日本数学検定協会が必要と認めるときはこの限りではない
受検方法
個人受検
申し込み受け付け期間中に、
(1)インターネットで申し込む。
(2)コンビニエンスストアに設置の情報端末から申し込む。
(3)郵送で申し込む。
参考:個人受検について
参考:受検会場一覧
団体受検
団体受験には、
- 団体受験
- 提携会場受験
があります。
団体受験とは
学校・学習塾・企業などが志願者を募り、所有する施設を会場として実施します。
申し込みや検定料の支払い、検定当日の運営、結果の通知は団体がとりまとめて行います(志願者支払制度あり)。
団体受験実施の申込
- マイページ申込
- 郵送申込
のいずれかの方法で申込可能。
※団体受験実施の申込はコチラ
提携会場受験とは
提携機関は会場を設置し検定当日の運営のみを行います。
特設サイトで志願者を募り、申し込みや検定料の支払いは志願者が行い、結果は協会から志願者に通知します。
提携会場受験実施の申込
・「提携会場登録申請書」をメールで送付
※提携会場登録申請書のダウンロード及び申込手順はコチラ
※はじめて提携会場受検を実施する場合はコチラ
受検級
数学検定
⇒1級、準1級、2級、準2級、3級~5級
(1次:計算技能検定、2次:数理技能検定)
算数検定
⇒6級~11級、かず・かたち検定
※2020年度4月検定より、9~11級は個人受検不可。
【2020年度】申込期間・実施日程
個人受験
団体受験
第369回:【申込】2020年12月7日(月)~2021年1月13日(水) 【実施】2021年2月12日(金)
【実施階級】2~11級
第370回:【申込】2020年12月7日(月)~2021年1月13日(水) 【実施】2021年2月13日(土)
【実施階級】準1~11級
第371回:【申込】2021年1月6日(水)~2021年2月2日(火) 【実施】2021年3月6日(土)
【実施階級】2~11級
【2021年度】申込期間・実施日程
個人受験
第372回:【申込】2021年2月8日(月)~2021年3月5日(金) 【実施】2021年4月11日(日)
【実施階級】1~8級、かず・かたち検定
第376回:【申込】2021年5月17日(月)~2021年6月8日(火) 【実施】2021年7月18日(日)
【実施階級】1~8級、かず・かたち検定
第380回:【申込】2021年8月30日(月)~2021年9月21日(火) 【実施】2021年10月31日(日)
【実施階級】1~8級、かず・かたち検定
団体受験
第372回:【申込】2021年2月8日(月)~2021年3月9日(火) 【実施】2021年4月11日(日)
【実施階級】準1~11級
第373回:【申込】2021年4月13日(火)~2021年5月11日(火) 【実施】2021年6月12日(土)
【実施階級】2~11級
第374回:【申込】2021年4月19日(月)~2021年5月18日(火) 【実施】2021年6月19日(土)
【実施階級】準1~11級
第375回:【申込】2021年5月10日(月)~2021年6月8日(火) 【実施】2021年7月10日(土)
【実施階級】準1~11級
第376回:【申込】2021年5月17日(月)~2021年6月15日(火) 【実施】2021年7月18日(日)
【実施階級】準1~11級
第377回:【申込】2021年6月28日(月)~2021年7月21日(水) 【実施】2021年8月28日(土)
【実施階級】準1~11級
第378回:【申込】2021年7月26日(月)~2021年8月24日(火) 【実施】2021年9月25日(土)
【実施階級】2~11級
第379回:【申込】2021年8月16日(月)~2021年9月14日(火) 【実施】2021年10月16日(土)
【実施階級】準1~11級
第380回:【申込】2021年8月30日(月)~2021年9月28日(火) 【実施】2021年10月31日(日)
【実施階級】準1~11級
第381回:【申込】2021年9月13日(月)~2021年10月12日(火) 【実施】2021年11月12日(金)
【実施階級】2~11級
第382回:【申込】2021年9月13日(月)~2021年10月12日(火) 【実施】2021年11月13日(土)
【実施階級】準1~11級
第383回:【申込】2021年9月21日(火)~2021年10月19日(火) 【実施】2021年11月20日(土)
【実施階級】2~11級
第384回:【申込】2021年10月4日(月)~2021年11月5日(金) 【実施】2021年12月4日(土)
【実施階級】準1~11級
第385回:【申込】2021年11月15日(月)~2021年12月16日(木) 【実施】2022年1月29日(土)
【実施階級】2~11級
第386回:【申込】2021年12月13日(月)~2022年1月18日(火) 【実施】2022年2月18日(金)
【実施階級】2~11級
第387回:【申込】2021年12月13日(月)~2022年1月18日(火) 【実施】2022年2月19日(土)
【実施階級】準1~11級
第388回:【申込】2022年1月6日(木)~2022年2月1日(火) 【実施】2022年3月5日(土)
【実施階級】2~11級
級ごとの試験時間・出題範囲・合否基準・受検料
受検級 | 試験時間 | 出題範囲 | 合否基準 | 受検料(各税込) |
---|---|---|---|---|
1級 | 1次:60分 2次:120分 |
線形代数、 解析、 確率統計 ほか (個人受検でのみ実施) |
1次:70%程度 2次:60%程度 |
7,800円 |
準1級 | 1次:60分 2次:120分 |
極限、 微分法・積分法、 曲線 ほか |
1次:70%程度 2次:60%程度 |
6,700円 |
2級 | 1次:50分 2次:90分 |
指数関数、 円の方程式、 微分係数と導関数 ほか |
1次:70%程度 2次:60%程度 |
6,000円 |
準2級 | 1次:50分 2次:90分 |
二次関数、 三角比、 確率 ほか |
1次:70%程度 2次:60%程度 |
5,200円 |
3級 | 1次:50分 2次:60分 |
平方根、 二次方程式、 円の性質、 相似比 ほか |
1次:70%程度 2次:60%程度 |
4,500円 |
4級 | 1次:50分 2次:60分 |
連立方程式、 三角形の合同条件、 四角形の性質 ほか |
1次:70%程度 2次:60%程度 |
4,000円 |
5級 | 1次:50分 2次:60分 |
正負の数、 一次方程式、 平面図形 ほか |
1次:70%程度 2次:60%程度 |
4,000円 |
6級 | 50分 | 分数を含む四則混合計算、 比例・反比例、 資料の整理 ほか |
70%程度 | 3,000円 |
7級 | 50分 | 三角形・四角形の面積、 体積、 百分率 ほか |
70%程度 | 3,000円 |
8級 | 50分 | 整数や小数の四則混合計算、 長方形・正方形の面積 ほか |
70%程度 | 3,000円 |
かず・かたち検定 | 40分 | 10までの数、 大小などの規則を見いだす力、 ○△□の形 ほか |
15問中10問 | 2,500円 |
公式HP
公益財団法人 日本数学検定協会
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受検者の声
実用数学技能検定の受検者の声をまとめました。
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引用元: 日本の資格検定