検索技術者検定とは
検索技術者検定は、企業・大学・組織等において、研究開発やマーケティング、企画等のビジネスで必要とされる信頼性の高い情報を入手して活用できる専門家を育成することを目的とした検定です。
これらの高度なスキルを持った人材は、大学、企業等の情報管理部門で情報調査の支援や利用者教育、情報分析と提供等が期待される「情報プロフェッショナル」であり、マネジメントの能力も必要とされます。
1級、2級はこのようなプロフェッショナル能力を検定するものですが、3級は情報調査のリテラシー能力を検定するものであり、上位の級への入門的な位置づけとなります。
検索技術者検定の詳細情報
受験級
- 1級(一次、二次)
- 2級
- 3級
受験資格
【1級】
検索技術者検定2級(情報検索応⽤能⼒試験2級、データベース検索技術者認定試験2級含む)合格者
【2級、3級】
誰でも受検可能
試験範囲
1級
2級試験範囲の専⾨知識、スキルについては取得できていることを前提として、以下の能⼒を問います。
- インフォプロとしての経験、考え方
- マネジメント・スキル
- ユーザー教育
- 指導育成⼒
- 部⾨間調整⼒
- 問題解決⼒
- プレゼンテーション能⼒
一次試験について
(1)論⽂試験:共通テーマ
・インフォプロとしての経験、考え方
インフォプロ、社内での情報調査のあり方、のように関連するテーマで⼩論⽂を書いてみるとよいでしょう。
自身の考え方を日頃から整理しておくことが⼤切です。
・ユーザー教育・指導育成⼒、部門間調整⼒・問題解決⼒・プレゼンテーション能⼒
エンドユーザー教育を企画・実施する、部門の新人への教育カリキュラムを考える等、その機会の有無にかかわらず想定して考えてみるとよいでしょう。
(2)論⽂執筆者のプロフィールに関するレポート
所属組織での主な業務やあなたの役割、業務を遂⾏する中で生じた悩みや課題に対する解決方法、インフォプロとしての今後のキャリア・将来像などを、論⽂形式で説明できるようにしておくと良いでしょう。
このレポート内容は、(1)の論⽂の採点の参考情報とすることがあります。
二次試験(面接)について
決められた課題に関するプレゼンテーション能⼒を問うほか、情報検索関連業務についての考え方や企画⼒、情報検索技術と問題解決能⼒を組み合わせた情報サービスのスキルなどを問う出題が、口頭試問によって⾏われます。
また、情報関連の対外活動(各種団体・活動への参加、口頭発表、文献発表等)も評価の対象となります。
また「情報の科学と技術」、「情報管理」等の関連雑誌は日頃から目を通し、掲載されている論⽂については簡単に内容を説明できるようにしましょう。
2級
試験領域
(1)情報検索技術に関する知識と実践
- 情報資源の選択能⼒
- 検索システムに関する知識
- コマンド、検索式、キーワード、シソーラスなど検索技術に関する⼀般的知識
- 情報要求者とのコミュニケーション能⼒
- インフォプロの役割
(2)情報組織化と流通
- 情報検索の歴史
- データベースの種類
- データベースの流通
- 情報サービス機関
(3)専門分野の情報資源
- 代表的な専門分野の情報資源と特徴
- 専⾨分野の検索戦略作成
- 専⾨分野の検索主題の解析能⼒
- 専門分野の調査結果の評価、考察
- 専⾨分野のサーチエイドに関する知識
- 情報検索に関する英文読解⼒
(4)情報の利活⽤
- 情報の管理
- 情報の分析
- 情報と問題解決
- 知的財産権、著作権に関する知識
(5)情報の最新技術
- コンピュータに関する知識
- インターネットに関する知識
- 情報セキュリティに関する知識
(6)情報の伝達と評価
- 思考過程を簡潔に表現する⽂章作成能⼒
情報検索技術に関する知識と実践
検索の仕組みについての理解、シソーラスや分類についての理解、検索システムの機能についての理解が求められます。
検索システムの外観は、最近⼤きく変わってきていますが、中で動いている仕組みや索引は今までと変わっていません。
2級用参考書(4.参考書参照)の 1 章「情報検索の技法とインフォプロ」、2 章「データベースと情報サービス機関」に必要な知識が記載されています。
情報組織化と流通
情報の流れについての理解が求められます。
2級用参考書では 2 章「データベースと情報サービス機関」が該当します。
最近は、ディスカバリー・サービスのような複合的なデータベースが多く登場していますが、その中⾝を正しく理解していることが求められます。
専門分野の情報
さまざまな分野の情報検索システムとデータベースについて、広い知識が求められます。
2級用参考書では 3 章「専⾨分野別の情報資源の内容とその検索」が該当します。
非常に多くのシステムやデータベースの説明がありますが、自分が日頃使用しているツールを中心として、周辺のシステム/データベースへの理解を広げるとともに、⾃分にあまり関係の無い分野についても⼤まかな知識を持つことが⼤切です。
試験の後半では、⾃分の得意とする分野での検索能⼒を問う問題が出題され、システムやデータベースに関して、2 級用参考書に書かれていない深い知識が要求されます。
情報の利活⽤
インフォプロは、検索だけでなく、情報の管理や分析、活⽤等、情報に関連する周辺の知識が求められています。
特に著作権についての正しい知識が要求されます。
2級用参考書では 4 章「情報の管理・分析と知的財産」が該当します。
情報の最新技術
コンピュータ、インターネット、および情報のセキュリティに関する基礎的な知識と、情報検索に関連するITの最近の動向についての知識が求められます。
2級用参考書では 5 章「コンピュータ、ネットワークと情報セキュリティに関する知識」が該当します。
2級用参考書には書かれていない、最近のトピックも出題されることがありますので、日頃から「情報の科学と技術」や「情報管理」の記事に気をつけておきましょう。
情報の伝達と評価
2級試験の前半は選択式の問題ですが、後半は記述式の問題になります。
ここでは、正確で意味のわかりやすい、簡潔な文章を書くことが求められます。
3級
情報検索技術に関する知識と実践
- 情報検索とは
- 情報検索の理論と仕組み
- 論理演算子、検索式、トランケー ション等の検索技術に関する知識
- 情報検索の流れ
- 検索結果の評価
情報組織化と流通
- データと情報
- 一次情報、二次情報、デジタルコ ンテンツ
- 情報資源の組織化
- データベースの概念と種類
- 情報サービス機関
さまざまなネットワーク情報資源
- ネットワーク情報資源の検索
- ネットワーク情報資源の種類
知的財産権、著作権に関する知識
- 知的財産権、著作権に関する知識
ネットワーク社会と情報セキュリティー
- ネットワーク社会の諸問題
- ネットワーク社会の法制度
- コンピュータに関する知識
- インターネットに関する知識
- 情報セキュリティに関する知識
申込期間・実施日程
・1級(一次)、2級
【申込】2020年9月1日(火)~2020年10月31日(土)
【実施】2020年11月29日(日)
・1級(二次)
【実施】2021年 2月14日(日)
・3級
【申込】2020年10月1日(木)〜2021年1月29日(金)
【実施】2020年11月1日(日)〜2021年1月31日(日)(3ヶ月間)予定
※期間内に何回でも受験可能
級ごとの試験概要
級 | 試験形式 | 試験時間 | 受検料 | |
---|---|---|---|---|
1級 | 一次試験 | 筆記試験 | 前半:90分 後半:60分 |
11,000円 ※一次試験免除時の二次試験受検料:6,600円 |
二次試験 | 面接試験 |
–
|
||
2級 | 筆記試験 (選択式+記述式) |
前半(選択式):90分 後半(記述式):60分 |
6,600円 | |
3級 | CBT試験 (コンピュータ試験) 選択式問題 |
60分 | 6,000円 |
公式HP
一般社団法人 情報科学技術協会
※掲載内容について古い情報や誤りがある場合がございますので、必ず公式HPにて最新情報を確認してください。
検索技術者検定の学習方法
関連書籍で独学
プロの検索テクニック:検索技術者検定2級 公式推奨参考書
- 価格:
- 2,200円(税別) 一般社団法人 情報科学技術協会
情報科学技術協会が実施する「検索技術者検定 2級」の公式推奨参考書。
情報検索の歴史と基礎知識、各専門分野情報資源の種類・特徴、得られた情報の管理・分析のための技術を解説。
また、著作権をふくむ知的財産権や、コンピュータ・ネットワークのセキュリティについても言及している。
信頼に足る質の高い情報を入手するためのテクニック、そして得た情報を利活用するためのスキルを学ぶことができるように企画・編集した。
検索スキルをみがく:検索技術者検定3級 公式テキスト
- 価格:
- 1,800円(税別) 一般社団法人 情報科学技術協会
情報科学技術協会が実施する「検索技術者検定 3級」の公式テキスト。
情報検索に関する基礎知識、情報資源の種類やその組織化のほか、検索エンジンの特徴・仕組みを解説し、知っていると便利なネットワーク情報資源を紹介している。
知的財産権、特に情報を扱ううえで重要な著作権について詳述。
また、コンピュータおよび情報セキュリティの基礎知識を学ぶことができる。
検索の基本的知識を学び、より効果的な検索をするためのスキルを得ることができるよう企画・編集した。
巻末には用語解説を掲載。