プログラマーとは
プログラマーとは、プログラミング言語を使ってソフトウェアやアプリケーションを開発する技術者のことです。
ソフトウェアやアプリケーションをコンピュータ上で動作させるためには、プログラムという「指示書」のようなものが必要です。
ヒトからヒトに対しては言葉で指示を出すことが出来ますが、それと同様コンピュータにはコンピュータ用のプログラミング言語を羅列したプログラムで指示を出すことが出来ます。
このプログラムを書く「プログラミング」が、プログラマーの仕事です。
ちなみに最近では、プログラマーを「エンジニア」と呼ぶことも多くなっています。
その理由として、一昔前はプログラマーはプログラミングを専門で行う職種だったのに対し、現在はデザインや企画、マーケティングに携わることも多く、これらの知識を必要とする事も多くなったことが挙げられます。
広義の意味でエンジニアという呼び方の方が、現状にフィットするようになってきています。
プログラマーの仕事内容
プログラミングでシステムを作り上げる技術者
プログラマーは、プログラム言語を用いてプログラムを組み、ソフトウェアやアプリケーションを作る技術者です。
企業の会計システムや物流システム、そして私たちの身の回りにある自動○○機や家電に至るまで、様々なものがコンピュータプログラムで動いています。
プログラマーは、こうした多種多様なシステムの開発に携わります。
システムエンジニア(SE)との違い
プログラマーと似た職業として混同されやすいシステムエンジニア(SE)。
どちらもシステム開発に携わる職種ですが、違いを厳密に言うならば、担当する工程が違う職種同士ということになります。
システム開発の大まかな流れを見てみましょう。
1.要件定義:クライアントからの要求をヒアリングし、要件定義書にまとめる(SE)
2.設計:要件定義を反映した設計書に記述する(SE)
3.プログラミング:プログラミング言語にて開発を行う(プログラマー)
4.テスト:作成したプログラムが正常動作するか確認する(プログラマー)
5.運用保守:ユーザーが円滑にソフトを利用できるよう、サポート対応などを行う(OP)
一般的にシステムの仕様書を作成するSEに対し、プログラマーは実際に手を動かしてプログラミング作業を行う技術者のことを指しています。
プログラマーの種類
WEBプログラマー
WEBプログラマーは、WEBサイトに特化したプログラミングでWEBシステムの開発を行います。
例えば、ECサイトで利用者が買いたい商品を検索したとします。
そうするとECサイト側は、
- 検索結果の商品を表示
- 商品クリックで詳細画面へ
- 購入ボタンから決済画面へ
- 決済後の取引成立画面へ
このような一連の動作を返します。
この動作は、すべてWEBプログラマーが書き上げたプログラムによって処理されています。
また、多くの人が利用するSNSなども、WEBプログラマーが書き上げたプログラム上で処理されます。
Java、PHP、JavaScript、Ruby、Python、Linux、Apache、MySQLなど
ゲームプログラマー
ゲームプログラマーは、その名の通りゲーム制作を行うプログラマーです。
ゲームキャラクター特有の動きや、場面の遷移、グラフィックの描画・設計・実装など、一般的なシステムやアプリケーション開発とは違ったより専門的な知識が求められます。
近年ではスマホゲームやソーシャルゲームの人気が著しく、他のプログラマー同様、高い人気を誇ります。
【家庭用ゲーム機用のゲーム】
C++など
【スマホ用ゲーム】
C#など
ゲーム開発エンジン:Unity
アプリケーションプログラマー
PCやスマホにインストールされるアプリの開発を行うプログラマーです。
スマホやタブレット端末の普及に併せ、KindleやFacebook、Twitterなど、多くのサービスがアプリを開発・リリースするようになりました。
使いやすく便利なアプリを開発することで、世界中にシェアされる可能性も存分にあります。
アプリケーションプログラマーはどんなものを作る?
アプリケーションプログラマーは、仕事の幅がとても広く、様々なソフトやアプリを制作します。
- iPhoneやAndroidにインストールするネイティブアプリ
- ブラウザ上で動作するWEBアプリ
- 会計ソフト
- 売上管理ソフト
など。
近年ではPC、スマホ、タブレットなどの全てのデバイスで利用できる「ユニバーサルアプリ」も増えてきました。
ユーザーや取引先に身近にサービスを感じてもらうためには、オリジナルアプリの開発が必須になってきています。
そのため、アプリケーションプログラマーは今後も多くの企業で求められることが予想されます。
また、アプリケーションプログラマーとして長期的に仕事を獲得していくには、複数のプログラミング言語に精通していることも大切です。
常に最新のプログラミング言語を学習する意識が求められるでしょう。
【WEBアプリ】
Java、C#、Python、Ruby、PHPなど
【Androidアプリ】
Java、Kotlinなど
【iPhoneアプリ】
Swiftなど
組み込み系プログラマー
組み込み系プログラマーは、家電製品やカーナビなどに組み込まれているプログラムの開発を中心に行います。
IT業界内で言うところの「ハードウェア業界」に当たるプログラマーで、近年の「IoT(Internet of Things)」需要の急増で盛り上がりを見せています。
組み込み系プログラマーが手掛けるハードウェアで身近なものには、
- スマートフォン
- デジタルカメラ
- 炊飯器
- エアコン
- カーナビ
- 洗濯機
などが挙げられます。
現在、あらゆるものに組み込みシステムが使われており、ハードウェアごとにシステムをカスタマイズしていける技術が必要です。
Java、C、C++、C#、アセンブラなど
プログラマーの現状と将来性
若手から活躍可能も生き残るにはキャリアアップが必要
IT技術は日々、目覚しい進化を続けています。
プログラマーも、その速い流れを追いかけつつ新しい技術を駆使してプログラミングをしていく必要があります。
各企業では勢いある若手プログラマーが活躍していることが多く、早い段階から力を発揮するチャンスがあります。
しかし、活躍出来ているからと「現状維持」を目指すのではなく、技術を磨き続けて「キャリアアップ」を目指さなければ、年齢を重ねるにつれ下から追い越され、活躍の場を失う恐れもあります。
常にキャリアアップを意識した姿勢で臨みましょう。
需要は高まる予想
日本のIT業界では、何年も前から「深刻な人材不足」に陥っています。
経済産業省によると、2019年を境にIT関連産業における退職者の数が、入職者を上回るようになると予想されました。
このことから予測されることは、
- IT人材の平均年齢の上昇・高齢化の進行
- IT人材の需給ギャップの発生
そこから推計されることは、2030年には40~80万人規模でIT人材が不足するということでした。
人材が不足することは、言い換えれば「IT業界の需要がますます高まっていく」と解釈出来ます。
そんな未来のIT業界の中で、プログラマーの需要はより一層高まっていくと予想することができます。
企業にとってプログラマーは、その企業のシステム系商材そのものを作るポジションであるため、プログラマーがいないとビジネスが成り立たないといっても過言ではありません。
例えば、企業は自社の商品・サービスをPRするためにブランディングを図りますが、そのためには様々なマーケティング効果をもたらしてくれるようなWEBサイトが必要です。
そんな魅力的なWEBサイトを制作するにあたり、企業にはWEBプログラマーが必要になります。
これはWEBプログラマーに限ったことではなく、今後アプリケーションが無くなることは考えにくいですし、家電製品にも同じことが言え、ゲームも近年では世界中で競技として行われているほどです。
このように、多くの企業にとってプログラマーの存在は大きいので、プログラマーの将来性は明るいと言えるでしょう。
プログラマーのやりがいと大変さ
やりがい
最先端のIT技術を学ぶ楽しさ
今、あらゆる分野でIT技術が活用されており、プログラマーはその最前線で新しいシステムやソフトウェアを開発しています。
最前線を行くためには、日々の学習を怠るわけにはいきません。
例えばAI(人工知能)は、ほんの数年前までは”使えない”技術とされていたのですが、それが今やあらゆるビジネスシーンで使われ始めており、pythonを学ぶ技術者は増えています。
新しい技術を学ぶことはプログラマーの醍醐味であり、学ぶこと自体がスキルアップにつながり、とても楽しいことでもあります。
大変さ
学ぶこと、変化についていくこと
学ぶことに「やりがい」を感じる人もいれば、それが楽しさではなく大変さになる人もいます。
IT技術は、新しいものが出るスパンが短いため、変化についていきつつ新しいことを継続して学ばなくてはなりません。
プログラマーとしての適性もありますので、変化を楽しむぐらいの感覚でいられて、学ぶことを楽しめるかどうかが重要なポイントです。
プログラマーの給料・年収
勤務先や個人の実力によっても差が出やすい
企業の規模やキャリア等によって収入や待遇は異なり、平均的年収は350万円~500万円程度。
プログラマーと一言でいっても年収の幅は広く、実務経験が豊富な即戦力の人材であれば、年収1000万円クラスも存在します。
プログラマーはさまざまな業種で必要とされる存在であるため、一概に収入を比較することは難しい職業です。
また、フリーランスとして働くプログラマーの中には、高いスキルや営業力を活かして、年収1000万円以上を稼ぐ人もいます。
プログラマーに向いている人の適性・向いていない人
向いている人
プログラミングを楽しめる人
プログラマーは、毎日長時間パソコンに向かい合ってコードを書き続けるような仕事です。
長い時間プログラミングをするには、プログラミング自体を楽しめるかどうかが重要となるでしょう。
プログラミングを楽しめる人は、打ち込む時間も自然と長くなり、スキルもどんどん伸びていきます。
集中力がある人、何かに没頭出来る人
職場によっては和気藹々とした雰囲気のところもあるプログラマーの仕事ですが、作業中は高い集中力を保たなくてはなりません。
プログラミングを楽しみながら自分の世界に没頭することが出来る人は、プログラマーに向いているといえるでしょう。
また、黙々と作業をしつつも
- もっと効率のいいシステムを作るにはどうすればいいか
- この単純作業を自動化することはできないか
など、常に新しいことや作業効率化を考えられる人も、プログラマーに向いています。
向いていない人
面倒くさがらず自分の力で解決しようとする人
何事も自分ひとりで解決しようとする人よりも、わからないことがあればすぐに人に聞いたりする人の方が、時間の使い方が効率的です。
それから、手動で単純な作業をしていることに面倒くささを感じ、これを自動化・効率化出来ないだろうか、という考えに至る人はプログラマーに向いていると言えます。
プログラマーの就職先・活躍の場
プログラマーの種類の通り多様な活躍の場がある
プログラマーの種類の項目でも触れましたが、今は多様なプログラマーが存在しています。
- WEBプログラマーとしてWEB制作会社で
- ゲームプログラマーとしてゲーム制作会社で
- アプリケーションプログラマーとしてアプリ開発会社で
- 組み込み系プログラマーとして自動車や家電メーカーで
などなど、多くの活躍の場があります。
ある程度の実績や経験を積むと、時間や場所に縛られずに多様な案件にチャレンジしながらスキルアップを目指すことができる「フリーランス」として働くという選択肢も増えます。
プログラマーになるにはスキルを身に付け自信を持とう
プログラマーになるために絶対に必要とされる資格や学歴はありませんが、プログラミング言語などの知識やスキルが必要です。
プログラマーとして働くときに重視されるのは、「いかに現場でプログラムを組めるスキルがあるか」という点です。
プログラミングを独学できるWEBサービスやプログラミングスクールでスキルアップを目指すことが可能です。
そこで培ったスキルを活かしたポートフォリオを作成したりすることで、自信へと繋げることが出来ます。
また、未経験からプログラマーへの転職を成功させた人は多く存在します。
プログラマーの転職状況・未経験採用
転職の求人は多く、未経験者でも働けるチャンスも
プログラマーをはじめ、IT業界は人の入れ替わりが比較的激しい業界です。
そのため、転職市場も年間通じて活発に動いています。
また、IT業界全体が人材不足であるため、意欲的な人を積極的に採用している企業がたくさんあります。
未経験者の場合は、事前にプログラミングの基礎を学習しておくことで、企業へ熱意をアピールしやすくなるでしょう。
より有利に転職活動を進めるために、IT系の資格の勉強をしておくのも良いかも知れません。
また、年齢が若い方が転職には有利であるため、やると決めたら出来るだけ早く行動を起こすべきでしょう。
プログラマーになるための学習や資格
基本的な資格から応用的な資格まで多種多様
先ほども言った通り、プログラマーは特別な資格を持っていなくてもなれる職業です。
しかし、IT業界では資格を保持することでスキルの証明となり得るため、資格取得を目指している人は多くいます。
IT技術者として働く人に人気の高い「ITパスポート」や「基本情報処理技術者」は、プログラマーに共通して求められるスキルが試験範囲に含まれている国家資格です。
他には「Oracle Certified Java Programmer」や「PHP技術者認定試験」、「Ruby技術者認定試験」などがあり、自分の目指すプログラマーに対応した言語を取得すると良いでしょう。
また、今はWEB上で無料でプログラミング独学が出来るサービスが数多く存在します。
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プログラマーの求人・就職状況・需要
需要が大きく、就職先の選択肢は豊富にある
プログラマーは、IT業界のなかでも常に安定した需要を保っています。
就職先には
- SI企業
- 受託開発メインの企業
- Web系企業
- 自社サービス提供企業
- メーカー
- SES企業
などが挙げられます。
プログラマーになるための志望動機
技術者としてスキルをどう活かしたいか
まずはじめに、プログラマーと一言でいっても企業によって開発していくシステムの種類が異なります。
どのようなものを作っていきたいかをよく考えたうえで企業を選ぶことが重要になってきます。
これらを前提とし、プログラマーとしての志望動機を考えた場合、
- 入社後どのようなプログラマーになりたいか
- どのように貢献したいか
このようなことを話すことが求められます。
なぜその企業を選んだかの理由を、前向きな気持ちをもちつつ伝えましょう。
経験者の転職の場合は、転職するに至った具体的な動機(前職では○○をしたい希望が叶わなかったなど)を志望動機に含めて伝えるようにすると良いです。
保有しているスキルと、それを活かして達成したいことをしっかりと伝えていきましょう。
プログラマーの雇用形態・働き方
派遣やフリーランスとして働く人も多い
プログラマーは、多種多様な働き方ができる仕事といえます。
もちろん正社員として会社に勤める人もたくさんいますが、契約社員やアルバイトとして働く人も少なくありません。
また、派遣のプログラマーが多いことも特徴であり、派遣会社から就業先へ派遣される一般的な派遣以外にも、派遣会社の正社員が別企業(派遣先)へ派遣され、そこで開発プロジェクトに携わる「特定派遣」というスタイルも多くいます。
さらに、会社に所属せずにフリーランスで活躍している人も多数います。